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吟醸鮒鮓(ふなずし)~2018Brewery Year~ 予約受付開始。

発酵食品工房 ハッピー太郎醸造所 です。

お待たせしました。『吟醸鮒鮓(ぎんじょうふなずし)~2018Brewery Year~』、ご予約開始です。出荷は2月7日の「鮒の日」を予定しております。ご予約はこちらから。吟醸鮒鮓予約と明記してください。

吟醸鮒寿司上から

(吟醸鮒鮓 皿 七尾うた子 写真 中山通正)

熟れ寿司の極み、鮒鮓が順調な発酵をしているので、出荷準備を始めます。

原材料:琵琶湖天然ニゴロブナ、自然農法米滋賀旭、塩、純米酒、糀

 

『吟醸鮒鮓』の想い

吟醸鮒寿司近影

琵琶湖の周りには独特の発酵文化が今でも生活に息づいています。その中でも、琵琶湖で獲れた魚を塩漬けし、お米で乳酸発酵させて骨まで柔らかくなった熟れ寿司の文化があります。いわば現代の握り寿司の原型とされるもので、その華とも言えるのが「鮒寿司」です。

鮒寿司は、滋賀の人にとっては特別なもの。ハレの日にドンっと皿盛りしたり、とてもテンションの上がるここ一番の贅沢品なのです。また、お腹の具合が悪い時に発酵飯を食べて調子を整えたり、貴重な薬代わりとして使われるのが、生活の中での位置付けです。

しかし、鮒寿司のイメージは一般的には良くないのが、実情ではないでしょうか。

「臭い」とか「あれだけはダメなの」とか「何だか怖い」とか。淡水魚への苦手意識とか。

実は、当工房の熟れ寿司は、今まで鮒寿司嫌いや苦手な人をびっくりさせたことが何度もあります。琵琶湖の魚も鮮度よく適切に仕事をされたものは本当に美味しいのですよ。そして熟れ寿司として発酵させ、透明感のある香りと気持ちの良い酸味をまといます。泥臭さは全くありません。その発酵飯がまた贅沢な味わいで、エロチックでさえあります。

当工房では鮒は琵琶湖天然ニゴロブナのみ使用。メスを「吟醸鮒鮓」に仕立てます。市場では各種養殖の鮒が多用されており、天然ニゴロブナが貴重になった現在ではその意義もございますが、味に関してはその脂っぽさと香りの濁りで、とても天然の爽やかさには及びません。

お米は東近江市自然農法池内農園の滋賀旭、そしてそのお米から作った糀を使用しました。丁寧な漬け込みは、小規模の工房ならではです。

自然農法米は無肥料無農薬、このお米を発酵させると、とてもフルーティな香りになり、糀を少量使用することでさらなるまろやかさを得ることができました。体に沁み渡る美味しさです。目をつぶれば、大いなる大地の恵みに、細胞がざわめくのを感じることができるでしょう。

そして漬け込みの際の手水には滋賀県湖南の「北島酒造」生酛純米生原酒「渡船」88%精米を使用。乳酸発酵の鮒寿司には、乳酸発酵の酒を合わせました。お米も復刻米「渡船」のものです。

ここまで材料にこだわった鮒寿司も珍しいと思います。発酵は材料のポテンシャル次第。そこを人の手で超えることはありません。そう、これはまさに酒で云う「吟醸」。吟味して醸すと云う日本酒造りの言葉を借りることにしました。

そして発酵食品はその年々の気候によります。鮒もお米も毎年違います。仕事のクオリティは高く、発酵はコントロールせず。あるがままを信じ、その恵みに感謝する。そう云う意味でBrewry Year(醸造年度)をつけました。2018年の盛夏に漬け込みましたので、2018 Brewery Year です。

2019年2月7日の鮒の日に出荷開始予定で準備しております。予約順に出荷なので、到着日のご指定にお応えできないこともありますが、ご了承くださいませ。

吟醸鮒鮓 2018 Brewery Year

価格:半尾皿盛り2800円/ 一匹丸のまま4000円~8000円程度(大きさによる)

お問い合わせからご予約くださいませ。吟醸鮒鮓予約と明記してください。出荷する前に、正確なお値段をおしらせします。

*引き続き、オスの鮒寿司「玄米鮒鮓」も出荷予定です。ご期待ください。(了)