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Dec 27, 2018日本酒の話

お酒と料理のニヤリとする合わせ術〜鯖の味噌煮と冨田酒造の純米酒〜

発酵食品工房 ハッピー太郎醸造所 です。

お酒と料理の家庭での楽しみ方、一つ語らせていただきましょう。

この時期、真鯖が美味しく、安いですね。ハッピー太郎醸造所ではお味噌がふんだんにありますので、鯖の味噌煮にすることにしました。お味噌の色が濃いので、田舎風の味噌煮になりました。

鯖味噌煮

骨太の男の酒肴っていう風合いですね。笑

そこに合わせてみるお酒は、滋賀県長浜市木之本町は冨田酒造有限会社の定番「純米酒」。私はかつて蔵人として勤めていたことがありますので、我が家に常備しています。

七本鎗と味噌煮

 

都会のお料理屋さん居酒屋さんでは、一皿一皿にそれぞれお酒を合わせていただく、そんな緻密な演出をしていただけるところもございます。しかし日々の家庭のお惣菜にそんなことができるほどの種類のお酒を常備されている人は稀だと思います。

そんな私達、普通のお酒飲みでも十分に楽しめる酒と肴の合わせ方をご紹介しますね。

 

『鯖の味噌煮は背側と腹側でお酒の温度を変えて合わせましょう』

これが大変楽しいのですよ。

まずは炊きたての温かい味噌煮、鯖の背側から食べてみましょう。そのキュッとしまった旨味に、まずは純米酒の冷や(常温)を合わせます。酒が鯖の旨味の流れのペースに合わせてくれる、”寄りそう”イメージです。お酒の酸も暴れておらず、落ち着いて飲めますし、何より温かい味噌煮がお酒の温度も微妙に上げてくれるので、口内の滑らかさが増す印象です。

そして次に味噌煮の腹側に手をつけます。脂が非常に乗っていますし味噌と相まって濃厚です。そこに純米酒の上燗を合わせてみましょう。温度を上げることで酒の旨味と甘みがグッと出て、包容力と旨味の景色の流動性が増し、味噌煮との交錯が鮮やかになります。そしてお燗酒にすることでくっきりとした輪郭の酸が後味をバチっと切ってくれます。少し味噌煮が冷めて来たとしても腹側の脂っぽさを感じさせないところがお燗酒の良さですね。

これ、実は逆の温度でそれぞれの部位に合わせてみても美味しくないのですよ。不思議です。思わず「あれ?」と首を傾げてしまう出会い方も面白いものですが、慣れてくると「あ、こちらはお燗酒の出番だな」とわかってくるものです。そしてその当意即妙に温度を変え、合わせていくのは、家庭だからこそできる楽しみだとも思うのですね。

このように、一本の酒、一皿の料理でも、思わずニヤリとしてしまう合わせ方を楽しめるのが、日本酒の面白さだと私は思います。年末年始のお酒の楽しい時間に、ぜひこんなチャレンジをしてみてはいかがでしょうか?(了)